海外駐在が決まったとき、どうしようか悩むのが「家」
賃貸であれば解約して終わりですが、持ち家の場合はそのままにしておくのか、それとも売却するのか悩みますよね。
我が家の場合、
- 駐在期間が最低でも5年
- 転職して職場が遠くになったため、帰国しても元の場所に戻るメリットがない
- マンションなので売却しやすい
と言うことで、意を決して売却しました。
とは言え、売却するにはどのような手順を踏んだらいいのか分からず、すごく苦労しました。
今回は我が家のマンション売却までの流れをご紹介します。
海外駐在 マンション売却|我が家の前提
先に我が家のマンション事情、家庭事情からお話しします。
<マンション事情>
・築4年半(新築入居)
・駅前3LDKタイプ
<家庭事情>
・住宅ローンあり(抵当権あり)
・マンション名義人は夫
・住宅ローンも夫
・夫は先にメキシコ入り
・夫メキシコ入りの4ヶ月後に、わたしと娘が帯同
・わたしと娘は渡墨直前までこのマンションに住みたい(結果住み続けた)
上記のような前提で、マンション売却を検討し始めました。
検討し始めた当初、気になっていたのが2点。
- 引き渡し時期がずいぶん先になる(10ヶ月後くらい)けれど、買主さんは待ってくれるか。
- 引き渡し時期に名義人である夫が日本にいない。
夫不在で売却手続き、ローン返済はどうなるのか。
これらの不安をまとめ、地元の不動産業者に相談しにいきました。
今頼むなら三井のリハウスにします…
海外駐在 マンション売却|不動産業者へ
わたしと娘が帯同する予定日の約10ヶ月前に、マンション売却に向けて夫と動き始めました。
不安な点を相談し、それでも大丈夫と言ってくださった不動産業者と専任媒介契約。ここからマンション売却に向けての第一歩が始まりました。
その後の流れは、
・不動産業者との契約締結
↓
・室内写真撮影(不動産業者が撮影に来る)
↓
・SUUMOなどに掲載
↓
・内覧希望者が来る
↓
・買取決定
のような感じでした。
我が家の場合は、別不動産業者から3組の方が見に来てくださり、その中の1組が購入してくださいました。 心配していた引き渡し日がかなり遅くなることも問題なしとのこと。
内覧から1ヶ月も経たずに決まり、すごく驚いたと同時に本当に売ってしまうのだと寂しくなったことをよく覚えています。
海外駐在 マンション売却|必要種類について
我が家の場合、マンション売却で心配だったのが、売却時に名義人の夫が日本にいないことでした。
引き渡し時にいない、住民票がない、印鑑証明も無効。
その状況により、通常のマンション売却手続きよりも書類が余分に必要でした。
ここからは、それら書類についてご説明します。
※一般的に必要な書類は割愛します。
登記手続きのための必要書類
マンションの登記変更手続きのための書類です。売却後は登記を夫から買主さんへ変更が必要となります。
こちらは買主側の司法書士からの指示で準備しました。
まずは在留証明願。
夫が確実に国外にいることを領事館に証明してもらいます。
そして画像に記入しましたが、「この場所に住所を定めた年月日」と言うのが法務局ですごく大事だそうです。我が家はここを記入しなかったので、後々結構揉めました。
日付が必要なのか、必要ならいつの日付が必要なのか、日付証明をするために何が必要なのか(パスポート・ビザ、賃貸契約書・公共料金の請求書など)、事前に細かく確認することをおすすめします。
そして委任状。
こちらは登記手続きを夫に代わり、司法書士に委託します、と言う委任状です。
原本は司法書士側で作成してくれるので、住所と名前のみ記入。通常は印鑑のところ、夫は印鑑登録がないので拇印です。
この委任状は、通常の売却時にも必要なのではと思います。
次にこの委任状に対する証明書。
夫が司法書士に直接提出できないので、代わりに領事館がこれが正しいものだと証明してくれます。
こちらは上申書。司法書士から法務局に提出するものです。
夫が国外転出済みのため必要となった書類です。
原本は司法書士が作成。住所と名前を夫が記入。拇印も押しています。
そしてこちらが上申書に対する証明書。
領事館が証明してくれています。
これらの書類原本は、準備できたのちに夫がDHLでわたし宛に発送。到着後、わたしから司法書士に発送しました。
抵当権抹消のための必要書類
こちらは銀行ローン返済手続きのための書類です。
売却にあたり抵当権(担保)が抹消されるため、その手続きのためのものです。
こちらは仲介である不動産業者(我が家と契約した不動産業者)からの指示で動きました。
抵当権抹消手続きを夫に代わり、わたし(妻)に委託します、と言う「代理権授与通知書」。そして代理権授与通知書を書いてサインしたのが夫であると言う証明書が必要となるため、その証明書発行をメキシコ領事館に依頼をします。
こちらがメキシコ領事館にサイン証明書発行を依頼するための申請書です。
こちらが銀行から記載提出依頼のあった「代理権授与通知書」
我が家の場合、この印鑑は不動産業者が不要と言ったので敢えて何も押さなかったのですが、後々やはり欲しいと言われたので、ここはしっかりと確認するすることをおすすめします。(我が家は不要で押し通しました…)
そしてこちらが代理権授与通知書が正しいという証明書。
夫の場合、印鑑も拇印もなかったため、「(及び拇印を押捺)」というところは取り消し線が引かれています。
これらの書類原本は準備できたのちに夫がDHLでわたし宛に発送。到着後、わたしから不動産業者に発送しました。その後、不動産業者から銀行へ手渡されています。
海外駐在 マンション売却|引き渡し日
いよいよ引き渡し日。
当日の持ち物はこちら
・登記識別情報通知(権利証)
・銀行通帳、銀行印(ローンを組んだ銀行のもの)
・鍵
・契約ファイル一式
当日は夫もzoomで参加。
まずは買主さんがローンを組んだ銀行で手続き。
売却に関する最終書類手続きと鍵の受け渡しをします。
そして夫の口座に売却金額が入金された後は、夫がローンを組んだ銀行へ移動。
夫のローンを返却し、その他諸々手続きをして終了です。
海外駐在 マンション売却|まとめ
通常のマンション売却も大変だと思いますが、我が家の場合は加えて名義人の夫が国外転出済みと言うこともあり、予想以上に手続きが大変でした。
特別に必要だった書類も、今となってはなるほどと思いますが、何も分からない当時は右往左往しながら自分たちなりに調べていました。
不動産業者や司法書士も不慣れだったためか、後出しが多く、結局大変な思いをしたのは夫だったと思います。
もし我が家と同じような状況で不動産を売却される方は、ぜひ次のことに注意してみてください。
不動産業者は大手を選ぶ
我が家は地元の不動産業者にお願いしましたが、正直失敗したと思っています。
- 専任媒介契約をしたが、販売力がなく、買主側の不動産業者が違った。
- そのため司法書士の間に不動産業者担当者が立つのが難しく、手続きが複雑化
- 珍しい案件だったのか担当者の手続き不備が多い
など。
通常の売却であれば問題ないのでしょうが、特殊案件であったためか手続きに関する指示がかなり曖昧で、結局自分たちで調べて動く羽目になりました。こうした案件は多分大手の方が強いと思うので、一度大手不動産業者にも相談することをおすすめします。
もし今あの時に戻れるなら絶対に三井不動産にします!
三井さんにも話し来てもらったのに…本当に後悔しています。
三井不動産にぜひ聞いてみてください>>不動産の売却をご検討なら実績1位の三井のリハウス!
申請書類の記入はとにかく詳細を確認!
今回とにかく困ったのは、少しの書類不備で夫が何度も領事館に行かなければならなかったこと。すぐ近くならいいのですが、アグアスからレオンまでは1日仕事。妻のわたしとしては、治安状況も悪い中、夫をひとりで何度もレオンまで行かせることが心配でなりませんでした。
そのため、書類に関してはこれでもか!と言うほど事前に確認することを本当におすすめします。
- 申請書類は業者に見本を書いてもらう(申請者は写すだけにする)
- 見本に空欄箇所があったら、本当に必要ないのか確認する。
- 日付はいつの日付なのか確認する。
- 印鑑はどの印鑑か(実印ないけど有効なのか)、拇印でいいのかなど確認する。
などなど…
我が家も細かく確認したつもりでしたが、それでも足りませんでした。
結局大変な思いをするのは自分たちです。何度も往復する時間も、旅費も負担するのは自分たちです。
私たちと同じような思いをしてほしくないので、これから海外駐在で不動産売却をされる方は、ぜひ私たちの経験を踏み台にしていただけたらと思います!
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